Entries
2020.10/25 [Sun]
作曲家の物語シリーズ-リブリオ出版
最近、図書館で小中学生向け図書の「作曲家の伝記」を借りて読んでいます。
小学生の時、ロマンロランの「ジャンクリストフ」を夢中になって読んでいたので、ベートーベンの生涯はだいたいわかっているし、映画「不滅の恋人」も見ました。
中学生の時、映画「チャイコフスキー」を見たけど、初めて奥さんと会ったときの場面だけが印象に残っていて、あとはよく覚えていません。
大人になって、映画「アマデウス」を見たので、モーツアルトの生涯はだいたいわかりました。
他の作曲家については断片的にGoogle情報を得ているだけでくわしくは知らないので、ただ曲を聴くより、いろいろな背景を知りたいと思って、読み始めました。
はじめに大好きなドヴォルザークを読みました。
知識としては、生きている間に成功を収め、比較的幸せな人生を送った人、という思い込みでしたが、全然違いました。
肉屋の息子として生まれたため、成人するまで肉屋の修行をさせられ、音楽に費やせる時間はあまりなかったこと、貧乏だったこと、最愛の女性は告白前に他の人と結婚してしまい、その後その妹と結婚したが、3人の子供を病気で失い、絶望のどん底の時代もあったことなど、けして順風満帆の人生でなかったことを初めて知りました。
ただ、幸運なことに子供の時から音楽の才能を認めてくれる人がいて、ずっと支えてくれたことや、最愛の女性の妹である奥さんともそれなりに愛のある家庭を築いて、4人目のお子さんから後は、順調に育ったことや、成功してからはチェコの宝のように万人に慕われたことなどは、読んでいて「よかった。よかった。」と胸をなでおろすストーリーでした。
次に、ブラームスは、シューマンの妻クララに恋していたことは有名ですが、結局、ずっと片思いだったんですね~。そして、シューマンのことも敬愛していたのですね。やはり貧乏だったし、なかなか世間に認められず、あまり幸せな人生ではありませんでしたが、やはり、応援してくれる人、才能を認めてくれる人がいました。きっと、歴史に残る作曲家の影には、かならずその生活を支えたパトロンの存在があったのだと思いました。昔から音楽だけでは生きていけない世界だったのですね。
音楽の大御所であるバッハさんについても伝記を読んだら、ガラリとイメージが違いました。牧師の家に生まれて牧師になることを期待されて、やはり音楽は宗教の一部としか考えられていない世界で自分の思う音楽の道を進むことにはかなりの困難があったのですね。そして、他の作曲家たちが金銭に無頓着で浪費家だったのに比べ、バッハは大家族を養うために、金銭感覚も常識的で生活費を工面するためにいろいろ苦労したこともわかりました。作曲だけに専念できた作曲家って、本当に少ないんですね。
そして、生涯世間に認められることのなかった彼を発掘したのはあのメンデルスゾーンだったということも伝記を読んで初めて知りました。
チャイコフスキーに至っては、幸せな時代はあったのだろうかと思うほど、恵まれない生涯で、それなのにあんなすばらしい曲をいくつも書けたことに驚きでした。奥さんとの不仲については本では不幸な亡くなり方をした母の姿がトラウマになっているという子供向けの表現でしたので、同性愛疑惑については触れられていませんでした。
また、今読んでいるハイドンについては、すばらしいボーイソプラノ歌手だったため、あやうくカストラートの道を歩まされそうになっていたこととか、はずみで結婚した奥さんがとんでもない悪妻だったことなど伝記を読んで初めて知ることばかりです。
まあ、そんな感じで次々にこのシリーズを借りて読んでいます。
伝記というより、小中学生向けの物語となっているので、読みやすいですが、誇張したり創作したりしている部分もあるかもしれません。
実は、5年ほど前から、小中学生用の書架から本を借りることが多くなりました。
字が大きくて読みやすいし、ストーリーも難解ではないので。
そして、大人になっても「うーん」とうなることが多い名作にいくつも出会いました。
「飛ぶ教室」「秘密の花園」「みどりのゆび」「アントンと点子ちゃん」などは、大人が読んでも心に残る名作だと思います。
また、有名だけど読んだことのなかった「ドン・キホーテ」とか「宇宙戦争」「クリスマス・キャロル」「蝿の王」なども小中学生用の本で読みました。
図書館にはだいたい月2回ほど行って、一度に10冊ずつ借りてきます。
以前は小説ばかりでしたが、最近は漫画(図書館は漫画もあるんですよ)と実用書と雑誌(月遅れの雑誌が借りられます)ばかりで小説は2.3冊程度。
好きな作家は、伊坂幸太郎、重松清、宮部みゆき、東野圭吾、有川浩など。
たくさん読んでいるので、気がつかずに同じ作品を借りてきてしまうこともよくあり、記憶力の低下が心配です(^_^;
読書日記をつけておくべきだったと思うこのごろです。
図書館へ行って、選ぶ本に迷うときは、「***年直木賞」「***年芥川賞」とか「***年このミス」(このミステリーがおもしろい大賞)とか「***年書店員が選んだ本大賞」などで検索してリストアップした本を選ぶとハズレがないですよ。
Re: 無題 春袷さん
歴史に名を残す人は、みんな成功したと思うと大間違いですよね。
みんな人並みならぬ苦労をしていて、認められないまま世を去って、死後に評価されたという方も多いです。
伝記を読むと、音楽家は浪費家だったことが多いです。だから貧乏だった人が。
音楽ひとすじで金銭感覚はそっちのけだったんでしょうね。
ある意味バランスがとれていない人だからこそ、後世に残る偉業ができたとも言えるかもしれません。
凡人は凡人の幸せを満喫したほうがよさそうです(^_^;
夫の死後、仏教とかお経の意味などの本も読むようになりました。
いろいろなことを学びますね。